「間」の感覚 ③

時代劇に出てくるお城の中の様子は、驚くほどシンプルです。

余計な装飾物や置物などは、ほぼありませんし、収納スペースも見当たりません。

同じ時代、中世の西洋のゴージャスなお城と比べると、日本の城の中のシンプルさは、いっそう際立って見えます。

当時の日本の最高権力者が、そんな風に暮らしをしていたのですから、その当時の庶民の暮らしぶりが、いかにシンプルなものだったかは推して知るべしでしょう。

実はそこに、何もない空間こそ、本当の豊かさが詰まっているのです。

物理的には何もない時間と空間、つまり「間」にこそ、本当に大事なものが詰まっていることを昔の日本人は感覚的に理解していたと思われます。