幕末に生きた仙崖 ②

高僧ですから、「死ぬことなど何も怖くない。生きることに未練はない。平常心で死を迎えよう」といった言葉を書き遺すのが普通なのです。
ですが、仙崖は、
「恐怖や未練があるにもかかわらず強がって、死ぬことなど怖くない、未練がないなどということを言ったら、そちらのほうが心が乱れる。
安らかな気持ちで死を迎えることはできない。
だから私は、そんな恐怖や未練がある弱い自分自身をありのままに受け入れて、正直に『死にたくない』と書き遺す。そのほうが、ずっと安らかな心で死んでいくことができる」と考えたのです。
考えてみれば、いくら徳の高い禅僧であっても、死ぬことは怖いのです。
死にたくないという気持ちはあるのです。
自分の終焉を考える時、死の恐怖や未練がよぎるのは当たり前です。
しかし、誰にでもいつかは必ずおとずれるのです。
その時の為に残された遺族には、負担がないようより良い終活をお勧め
したいものです。