老い ②

ほとんどの人が老いを厭う(いとう)のはなぜかといえば、結局は死が近づいていると意識せざるを得なくなるからだ。

何といっても、人類の死亡率は100パーセントなのだ。

少しづつ無理がきかなくなり、思うように体が動かなくなっていく。
親しい人たちが亡くなっていく。
ときには苦楽を共にしたパートナーや親友など、同世代の人たちとさえ別れを告げなくてはならない。

いろいろと経験を積むにつれ、少しづつ死の影の重みが増してくる。
自分は何のために生まれてきたのか、死んだらどうなるのか。

たとえ表面的な意識は無関心を装っていても、心の底では問い続けているものだ。

画家ポール・ゴーギャンは、自殺する直前に描いた大作のタイトルとして以下の重い問いかけをしている。

われら何処(いずこ)より来るや?
われら何者なるや?
われら何処へ行くや?
と。